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日本で世界ダントツNo.1は?...高齢化社会!iPS細胞でどんなことができるの?


イモリは敵に襲われると、しっぽを切って逃げる。切れたしっぽは、しばらくするとまた生えてくる。でも、人間ではそうはいかない。骨の細胞は骨に、筋肉の細胞は筋肉にというぐあいに役割がはっきりと決まっている。イモリのように、しっぽの付け根にある細胞が骨や筋肉、皮に変わったりするようなことはない。

でも、人間にもたった一つだけ、どんな細胞にもなれる力をもつ細胞がある。それが、赤ちゃんのもとの受精卵だ。人間の体にある細胞はぜんぶで約60兆個といわれる。これらはすべて、1個の受精卵が2個、4個、8個……と、どんどん増えていってできる。増えながら筋肉や骨、皮といった、いろんな種類に姿を変える。こうしたどんな細胞にもなれる受精卵の力を「万能性」という。

細胞はいったん役割が決まると、ほかの種類の細胞にはなれなくなる。皮膚や筋肉の細胞が、再び受精卵のような何にでもなれる細胞に戻ることはない――と、ずっと思われてきた。

その常識をひっくり返したのが、山中さんがノーベル賞を受けたiPS細胞だ。博士は昔、オタマジャクシの腸の細胞をカエルの卵に入れ、再びオタマジャクシを生ませた。どうやら、卵の中に、細胞をまっさらな状態に戻すリセットボタンがあるらしい。そのボタン探しが始まった。細胞の働きを示す設計図が書かれた「遺伝子」は、人間では2万個以上ある。山中さんは、それを見つけ出した。2006年、ネズミの皮の細胞に四つの遺伝子を入れると、まるで受精卵のような状態に戻ることを確かめた。翌年には人間の細胞でも成功。

 山中さんは、この細胞をiPS細胞と名付けた。人の手で作った、いろんな細胞になる力のある細胞という英語の頭文字をとった。iが小文字なのは、iPodなどアップル社の製品のように広く使われるようになって欲しいという願いからだ。だから特許は世界じゅう誰でも使えるよう公開し無料利用とした。

ビジネスより、とにかく多くの人に研究してもらい、早く難病治療実用化のため!・・・ここがエライ!!

iPS細胞を使って、どんなことができるのか。移植や難病治療に期待

一つが移植だ。心臓や肝臓の具合が悪くなって薬も効かなくなると、今は、亡(な)くなった人や家族から臓器(ぞうき)をもらわないといけない。でも、違う人から臓器をもらうと、外からきた敵をやっつけて病気を防ぐ体の仕組みが、臓器を攻撃してしまう。それを防ぐため、副作用(ふくさよう)のある薬を飲み続けないといけない。iPS細胞を使って自分の細胞から心臓や肝臓を作れれば、そんな心配がなくなる。もうすぐ、目の細胞を作って、目が見えにくくなった人に移植する研究が始まろうとしている。


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