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世界中で研究され続けられるネコとイヌ:科学の解き明かす犬と猫の違い、犬と猫ではどちらの方が飼い主を愛しているのか?猫は犬に比べ5分の1しか人を愛していない

  • miyoshinoie
  • 2016年2月24日
  • 読了時間: 3分

「急いては事を仕損じる」と申しますが、一方で「善は急げ」と言い、「渡る世間に鬼はなし」と思いきや「人を見たら泥棒と思え」と言ったりします。このように反対の意味を持つことわざがあるのは珍しくありませんが、一つのことわざが二つの正反対の意味を持つという例もあります。たとえば、いろは歌留多の一番に登場する「犬も歩けば棒に当たる」です。この札には棒で打たれて逃げ廻っている犬の絵柄が描かれていますように、用もないのにうろうろ出歩いていると災難に遭うという教訓を伝えていますが、一方でこの言葉は積極的に出歩いていると思いがけない幸運に出会うことがあるという意味でも使われます。この札が登場した江戸時代の半ば頃から、両方の意味が存在したそうです。

相反すると言えば、よく比べられるのが「あなたはイヌ派、ネコ派?」。

先日、「猫と犬で、どちらの方が飼い主を愛しているか?」というテーマの実験結果が記事になっていました。 「猫と犬、どっちが飼い主を愛している?」科学的に調べたら……記事では、アメリカ・クレアモント大学院大学の神経科学者、ポール・ザック博士の研究結果が紹介されていました。それによると、まず犬と猫を飼っている人にそれぞれ自分のペットと遊んでもらい、その前後でのペットの血液中のオキシトシンホルモンの分泌量を測定したそうです。

「オキシトシン」とは、幸せホルモンとも呼ばれているもので、動物が愛情を感じたときに分泌する神経伝達物質の一種です。以前にも記事に書いたことがあるのですが、オキシトシンがたくさん分泌されるほど、ペットが飼い主に愛情を持っている証拠となります。

オキシトシンは、ギリシャ語で「早く生まれる」という意味であり、古くから女性の出産や子育てに関連するホルモンとして広く知られていました。しかし、近年になってオキシトシンには色々な効果があることが分かってきて、その驚くべき“神秘の力”が注目されるようになっています。少し前ですが、愛犬と飼い主が見つめ合うだけでも、オキシトシンが分泌されることがわかり話題になっていました。

気になる実験結果ですが、犬の方が圧倒的に飼い主に対して愛情を抱いているという結果になりました。まあ、予想通りの結果ですね。

実験では、犬たちは飼い主と楽しく遊んだあと、平均57.2%のオキシトシンを分泌したとありました。これは人間が、自分の子供や恋人に対して分泌するオキシトシンの量に相当するもので、犬たちが飼い主に対してとても深い愛情を抱いていることがわかります。

一方、猫たちの平均値は12%だったそうで、とてもクールな結果です。しかも、オキシトシンを分泌さえしなかった猫が半分もいたそうです。見知らぬ人と楽しく会話しただけでも15~25%のオキシトシンが分泌されることを考えると、猫たちは飼い主が思っているほど、人間に愛情を感じてはいないようです。

猫派の人たちからすると、こんなツンデレな態度がたまらないのかもしれませんが、愛情が一方通行な感じがして、ちょとさびしさを感じてしまいます。これらの数字は、犬の方が "飼い主に多くの愛情を持っている" とも解釈できます。

ただし、研究者は、猫は犬ほど社交的ではなく縄張り意識が強いので、殺菌された実験室のような見知らぬ場所では、感じるストレスが犬よりもずっと強かったはずだとの指摘もしています。つまり、飼い主の自宅で実験を行った場合には、猫のオキシトシン分泌量はもっと増加するのではないかということです。

というわけで、「猫と犬、どちらが飼い主をより愛しているか?」という疑問に対して、明確な答は出ていないようです。最近はネコブームで結構な経済効果に貢献しているネコだが、ワシの横でゴロゴロしてる奴は「知るか!」と寝たおしている。ネコの話題が続いてしまい、恐縮です。


 
 
 
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