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なんだとー!ペットは家族だ!「アメショーがインテリアカラーに合わなくなってきた」「シベリアンハスキーやチワワはトレンドじゃないもん」「ペット禁止だから吠えないように声帯を手術してもらったわ」


最近になって、マスコミはしきりに猫の人気の高まりや、関連グッズの売り上げ増などを「ネコノミクス」特需として紹介している。これまでペットとしての主流は犬だったが、現在では猫の方が飼いやすいから、人気だというのだ。ポメラニアンやチワワなどの小型犬ブームも、これまでに何度か巻き起こって、ペットショップやブリーダーは人気の犬種を次々に交配させ、売り出した。悪徳ブリーダーになると、劣悪な環境でひたすら交配を強いる虐待を繰り返し、犬に運動すらさせないというケースもある。猫に関しても、品種を重んじる消費者は多い。本来ペットは家族の一員。そんなかけがえのない存在を迎え入れるのに、血統だの品種だのにこだわるなんてナンセンスの極み!。この国のペットショップでは、狭っ苦しいケージに押し込んだ犬猫を、大勢で「可愛い~」とか言いながらスマホでパシャパシャやっているけれど、あんなに残酷な光景はない。日本がまだ今よりも好景気だった頃、熱帯魚ブームというものがあった。庶民でもそこそこの小金持ちだった家庭では、60センチ水槽にグッピーだとか、プラティなんかをたくさん泳がせていた。けれどそのブームは、常にせいぜい数年で終息する。ブームだから。可愛いから。それだけの理由で、飼育能力のない人に育てられるペットが多いという。餌も水も与えず、糞の始末すらしない。病気でじっとしているのに「寝てるんだ」と勘違いして病院にも連れていかない。こんなペットを飼い殺しにしている人が、悲しいことにたくさんいる。ネット上には猫や犬の可愛い動画があふれ、かつてないほど犬猫好きが増えているように見える昨今。でも一方で、年に約12万8000頭の犬猫が殺処分されている現状があるのだ!

保健所でペットがどうなるかは分かっているくせに、その始末を職員に任せて逃げ去るのだ。処分まで残り僅かな時間を過ごし、貰い手が現れれば命を繋ぎとめることの出来る犬や猫が、保健所に大勢いるのに。猫と暮らす資格がない人間によって増える不幸な猫たちお金を出せば買える。その価値観で命をやりとりするというのは完全に間違っている、法律で規制すべきだ!しかし、需要がある以上、こういう販売形態がなくなることはない。だったらお金を出して大切な命を預かった分、せめて大切に育ててほしいんだけど、これすら現状では叶わない。

テレビで「○○がブームです」なんて言うと、その消費は必ず伸びる。しかし、メディアに煽られて消費者が手にするものが、必ずしもその人にとって必要なものだったり、手にするに相応しいものというわけではない。ペット関連のブームが終わった後に待っているのは、いつだって罪のないペットたちの悲しい最期だ。

この本をペットショップに置くべきだ!


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