栗饅頭(185kcal,脂質0.8g)VSモンブラン(541kcal,脂質25g)、蒸し饅頭(156kcal,脂質0.3g)VSシュークリーム(147kcal,脂質8.2g).和菓子か洋菓子か!脂質と
今日は彼岸の入り。春分の日(3月20日)とその前後3日間を合わせた7日間を「春彼岸」と言います。昼と夜の時間がちょうど同じになる、彼岸の中日21日(春分の日)は、尾張三河地方では、なんと日の出が午前6時00分、日の入り午後6時00分となる。彼岸とは、迷い苦しむ現世の人間界(此岸)に対する言葉で、「彼(か)の岸に至る」を意味するサンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」からきています。煩悩の束縛から解き放たれて悟りを開いた涅槃(ねはん)の境地が彼岸です。空間的には東が現世(此岸)で、西にあるのが極楽浄土(阿弥陀如来が建立したとされる極楽)となっています。太陽がほぼ真西に沈むこの時期は西方にある浄土(彼岸)に最も近いと考え、仏事が行われるようになったそうです。
ところで、彼岸に欠かせないのが「ぼたもち」です。
今は一年を通して「おはぎ」として売っている店もありますが、「ぼたもち」と「おはぎ」は違うのか?大きいのがぼたもちで、小さいのがおはぎ?こしあんがおはぎで、粒あんがぼたもち?米粒が残っているのがおはぎで、完全に餅になっているのがぼたもち?巷にあふれている色々な諸説。
春のお彼岸に食べる場合は「ぼた餅」、秋のお彼岸に食べる場合は「おはぎ」と、使い分けて呼んでいる。実に、四季のある日本らしい風流な呼び方で感心してしまう。だから「ぼたもち」と「おはぎ」は、それぞれ「牡丹餅(ぼたもち)」、「お萩(はぎ)」と漢字で書く。これは、春のお彼岸の頃には「牡丹(ぼたん)」の花が咲き、秋のお彼岸の頃には「萩(はぎ)」の花が咲くことに由来している。
もう一つ風流な要素があり、それは、「ぼたもち」と「おはぎ」の大きさの違い!「牡丹」の花は、大きな花ですから「牡丹餅」は大きめに、「萩」は、小さな花なので「お萩」は小ぶりに作られるようになったという。
「ぼたもち」や「おはぎ」のあんこには、なぜ小豆をつかうの?あんこに使われる「あずき」は、古くから悪いものを追いはらう効果があるとされてきました。春は、種をまき、食物の成長を願う季節。秋は、食物の収穫の季節。
ちなみに、夏のぼたもちは「夜船(よふね)」、冬のぼたもちには「北窓(きたまど)」という呼び名があります。ちょっとした言葉遊びになっていて、ぼたもちは餅米を使ってはいるものの杵と臼で搗(つ)くようなことはしないことから、「搗き知らず」→「着き知らず」→「いつ着いたのか分らない夜の船」ということで「夜船」。同じように「搗き知らず」→「月知らず」→「月が見えないのは北側の窓」ということで「北窓」と呼ぶそうです。
この時期にあずきを使った食べ物を食べたり、ご先祖さまに感謝することは、自然への感謝や祈りとも深くむすびついている。昔の人々は、自然を暮らしの中に上手にとりいれていた。季節の花を意識して食べ物の呼びかたやかたちを変え、ご先祖さまの供養を行う、こうした風習は、ずっと変わらずに残していきたいものだ。
洋菓子と和菓子の違いは、植物からとれたものを使うか、動物から取れたものを使うかだそうだ。例えばケーキは、牛からとれる乳製品で、生クリームやバター・チーズ等。和菓子は、あんこ(小豆)やお米などといった農作物(植物)を主として使用している。さらに和菓子の原料は豆類や海草類が多く、血糖値の上昇を抑えて腹持ちを良くする食物繊維が多く含まれている。ダイエットしてるのにお菓子を食べたいという時は、和菓子がおすすめ。甘いからカロリーが高そうと思いがちですが、脂質が少ないことが大きなポイント。
また、和菓子というぐらいだから日本が発祥であるものと思われがちだが、和菓子も洋菓子も日本古来のものではないようです。どちらも、海外から輸入されてきたのです。奈良時代に、唐の国から、団子や餅の原型となる食べ物が伝わりました。団子のようなものを、塩で味付けして、揚げた食べ物です。これは、『唐果物(からくだもの)』と呼ばれ、どちらかと言うと、神仏へのお供え物としての役目が大きかったようです。そののち、中国から伝わった、饅頭(まんとう)や包子(包子)が現在の日本の饅頭に近い形かと思われます。饅頭の中身が日本流に改良され、簡単な食事として食べられるようになるのです。これが、日本のまんじゅうの元祖とも言えそうですね。