タケノコ食べる季節、食物繊維が多く、コレステロールも下げ、うつや慢性疲労に効果。美味しいタケノコを見分ける方法はタケノコの先端部分をチェック！

先ほどヘルパーさんから春の旬の味覚の一つタケノコのお裾分けを。夕食のベテランヘルパーさんの調理が楽しみだ。ネットスーパーの店先にも大きなタケノコが並び、旬もそろそろ終盤。漢字では「筍」。よく「朝掘りタケノコ」と言われるが、その新鮮なタケノコはまた格別。焼いて食べるのも良し、サッと茹であげて食べやすい大きさにスライスしてワサビ醤油で食べるのも良し。そのタケノコ、３月中旬頃から九州産が出回り始め、今の時期は静岡産が主力となっている。そして、４月中旬以降は千葉、茨城、栃木など産地が徐々に北上していく。栄養成分としては、豊富なたんぱく質の他、ビタミンＢ１、Ｂ２、ミネラルを含み、食物繊維が豊富で便秘や大腸がんなどの予防やコレステロールの吸収の抑制にも効果的だと言われている。また、タケノコに多く含まれる「チロシン」というアミノ酸は、体内で作られるさまざまなホルモンの材料となる成分。うつ病や慢性疲労症候群などに効果がある。

スーパーなどでタケノコを買うとき、どういう基準で選ぶべきか？タケノコは皮に覆われているため中身が見えない。そのため、大半の人はタケノコの底の部分を見て、綺麗なほうを選びがちだが、実はこれ、あまりアテにならないのだとか。スーパーなどでは、カット部分の色が悪くなったら、その部分を切り落として綺麗な見た目に何度でも変えてしまうため。見分ける方法は、タケノコの先端部分をチェック！この先端部分が黄色いものを選ぶと、柔らかくておいしいタケノコが当たりやすいのだそう。逆に、先端が青くなっているものは、タケノコが地上に顔を出してから時間が経過していることを意味している。太陽の光を長く浴びているものは、先端が黄色から青色に変わっており、タケノコ自体も固くなっている。そのため、先端が黄色いものを選ぶといいそうだ。柔らかくて美味しいタケノコを、簡単にアク抜きすれば、料理がもっと楽しくなりそうだ。

ちなみに、竹の成長はとても早く、タケノコとして美味しく食べられる時期は非常に短いため、漢字の「筍」（＝タケノコ）の字は１０日間を意味する「旬」の間に竹になることが由来と言われている。成長が早く、１日に１メートル以上伸びることもあると言われるほどだ。地表に出ると味が落ちるから収穫時期とテクニックも美味の要素らしい。「タケノコの向きを確認して、根と切り離すにはコツが必要。向きは分かっても深さを判断するのが難しい」という。土のわずかな盛り上がりで大きさまで判別できるのは、長年の経験があってこそ。「ほら、ここです」と指さした地面をよく見ると、芽先の部分が数センチほどのぞいていた。「４月下旬の最盛期には、掘っていると根元から水分が出てくるほどみずみずしいです」傷が付かないよう周囲の土を掘り崩したあと、タケノコの向きから根元の位置に当たりをつけてトンガを振り下ろす。

実の色が白いものは、あく抜きなしで食べられる。刺し身、煮物、炊き込みご飯…。素朴だが、独特の食感と甘み、そしてかすかな苦みに春を感じる。

最古の歴史書「古事記」に登場するほど、古くから日本の食卓を彩ってきたタケノコ。文豪・森鴎外のまな娘で、作家の森茉莉（１９０３～８７年）は、タケノコをはじめとする春野菜のほのかな渋みや香りを愛し、エッセー集「記憶の絵」のなかで「松茸（まつたけ）飯は筍（たけのこ）飯より劣る」と書いた。繊細な風味を消してしまう調理を嫌がり、「筍飯に、油揚げが入ったり」するのは嫌い、と強調している。「素材の味を生かすのが日本料理。特にタケノコは、手を加えるよりもシンプルに味わうのが一番」という。「掘ってから調理までの『速度』が大事。空気に触れる時間が長いとえぐみが出てしまうらしい。

この地方では、岐阜県中津川市瀬戸で、特産品のタケノコの収穫が最盛期を迎えている。4月１13日から市筍生産組合の出荷が始まり、組合長は「今年は大ぶりのものが多く、味も良い」と話している。

最高に美味なタケノコ料理は「鮮度」を如何に食卓まで運べるかという。収穫をし、その場で、さまざまなタケノコ料理を農家さんに作ってもらった料理のなかでもっとも感銘を受けたのが、ただ生のタケノコを入れただけなの「みそ汁」だという。「新鮮なタケノコからはいいだしがとれる」と、“タケノコだし”を造る。生のタケノコを食べられるのは、収穫直後だけ。ちょっと時間が経っただけでエグみが出てしまうため、多くの場合は水煮にして販売される。しかしこれだと、茹で汁にうまみが逃げてしまう。自宅へ持って帰るわずかな時間でもエグみが出てしまい、農家で食べた味を再現できないという。そこで思いついたのが現地調理に近い美味を家庭で産みだす策としては、皮の付いた筍を買い、自宅で皮をむいたら即、昆布やカツオでとった“一番だし”で10分ほど炊くと良いらしい。皮をむいて水につけておくのは「邪道」だげな。